世界では、環境・経済・社会のからみ合った問題の解決に向けて様々な動きが始まりました。日本も世界の一員として取組を進めていますが、その前に、日本ではどのような問題が起こっているか考えてみましょう。
◎人口減少・少子高齢化
日本では、経験したことのない「人口減少」、子どもに比べて高齢者の割合が増えていく「少子高齢化」が進んでいます。2060年には人口は約9,000万人に、また約5人に2人が65歳以上になると推計されています。人口減少と少子高齢化がともに進むと、働き盛りの人の数が少なくなり、経済へ影響が生じると考えられています。
◎気象上昇
地球温暖化は、日本も例外ではありません。日本の2017年の平均気温は20世紀の平均から0.86℃高くなっています。
2018年の夏は、7月に埼玉県熊谷市で日中の最高気温が歴代全国1位の41.1℃に達するなど、記録的な高温となり、7月16日から22日までの1週間で熱中症により全国で前年の同時期に比べて約3倍の23,191人が搬送される異常梟態となりました。
◎2100年未来の天気予報
環境省では、現状を上回る温暖化対策をとらなかった場合の予測に蠶づき、「2100年未来の天気予報」という動画を作成しました。この動画では、2100年の天気季報として、例えば、東京の最高気温が44℃以上になると予想しており、局地的な大雨や干ぱつなど、温暖化に伴う影響についても解説しています。
◎多発する気象災害
2013年8月に雫石・紫波にて1時間あたり70mm以上の記録的な大雨となり、また、2016年8月大船渡市付近に上陸した1951年(昭和26年)に気象庁が統計を取り始めて以来初めて東北地方の太平洋側に上陸した台風となり、特に岩泉町では甚大な被害がでました。
近年、大規模な気象災害が多発しているのは、地球温暖化がその一因とも言われています。
◎大都市圏への人口集中・地方の衰退
東京、名古屋、大阪といった大都市圏には、日本の人口の約半分が集中しており、特に東京周辺への人口集中が加速しています。
一方、大都市圏以外の地域では、人口減少による地域産業の衰退、担い手不足による様々な文化の伝承の危機などが大きな課題となっています。
◎ごみ・食品ロスの問題
日本でのお店や職場、家庭からの1年間のごみの総排出量は4,398万トンです。(2015年)
このうち、お店や職場、家庭から出るごみの10分の1に当たる435万トンは廃プラスチックと推計されています。
また、お店での売れ残りや家庭での食べ残しなどの本来食べられるはずの食べ物のごみ(食品囗ス)だけで1年間に646万トン、国民1人1日当たり約140グラム(およそお茶碗1ばい杯分)発生しています。
※環境省「こども環境白書2019」から引用作成