し尿処理はなぜ必要か?
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うんちとおしっこのお はなし 〜し 尿にょう 処理しょり 歴史れきし

し尿ってなんだろう

 さて、ここで問題です。「屎尿」と書いてなんと読むでしょう。そして、どんな意味なのでしょう。この二つの漢字には「尸」という部首が使われています。辞書で調べると、「尻(おしり)」「尾(しっぽ)」「屁(おなら)」など、人の体に関わる漢字に多く使われています。「屎尿」の「屎」の字は、「尸(しかばね)」と「米(こめ)」でできているので、人の体から出る米で「うんち」を表しています。では、「尿」はどうでしょう。「尸(しかばね)」と「水(みず)」なので、人の体から出る水で「おしっこ」ですね。つまり「屎尿」は、うんちとおしっこのことです。これに、トイレで使ったトイレットペーパーなどもまとめて「し尿」といいます。
 さて、みなさんは1日に何回(トイレに行きますか?自分だけでなく家族も友達も、毎日何回(もトイレに行きますよね。どんどんたまっていく「し尿」は、どこに行って、どう処理されるのか、ちょっと気になりませんか。大昔から現在までに、「し尿」の扱い方は様々に変化してきました。人の歴史と「し尿」の関わりについて、一緒にみていきましょう。

し尿とくみとりの歴史

「し尿」は長い歴史の中で、肥料など「役に立つもの」として大事にされたり、環境を悪化させる「汚いもの」として邪魔者にされたり、様々な扱い方をされてきました。同じ「し尿」でも、国や時代によって扱われ方や処理方法も違っていました。

古代

 まだ人が少かった時代は、トイレの場所は決まっていませんでした。木の影や川など、好きな場所でおしっこやうんちをしていました。日本最古の歴史書『古事記(こじき)』によると、奈良時代には川の上に「川屋(かわや)」というトイレを作り、「し尿」を流(なが)していたようです。この「川屋(かわや)」が、トイレを意味する「厠(かわや)」に変化したという説もあります。

鎌倉〜江戸時代

 決まった場所でおしっこやうんちをするようになり、トイレを「厠(かわや)」と呼ぶようになりました。「厠(かわや)」にたまった「し尿」は、農作物を育てる大事な肥料として使われるようになり、「し尿」を集めて運ぶ「汲み取り」が行われるようになりました。畑や田んぼに「し尿」をまくと作物がよく育つため、この時代の「し尿」はお金を払って買い求めるほど貴重なものとして扱われていました。

明治〜大正時代

 急速に人口が増え、たくさんの人が集まって暮らす都市が生まれました。都市では多くの「し尿」がたまり、肥料として使い切れずに余るようなりました。さらに、「し尿」に代わり化学肥料が使われるようになると「し尿」はますます使い道がなくなり「汚いもの」としてゴミのように扱われるようになっていきました。

昭和時代

 昭和になっても「し尿」は肥料として使われていましたが、1950(昭和25)年に畑や田んぼに「し尿」をまくことが禁止されると「し尿」は行き場を失いました。「し尿」を取り扱うルールが決まっていなかったため、「し尿」は山や川、海などにそのまま捨てられました。その結果、水質や環境が汚染され、寄生虫や伝染病が発生し、人々の健康に被害が出てしまいました。

 こうして1955(昭和30)年頃からし尿処理のルールづくりが始まり、「し尿処理基本対策要項(しにょうしょりきほんたいさくようこう)」「下水道法(げすいどうほう)の改正(かいせい)」など様々な法律が作られました。下水道や浄化槽(じょうかそう)、し尿処理施設など、「し尿」を正しく処理する設備も作られました。私たちが暮らす紫波町では、1967(昭和42)年に「紫波稗貫衛生処理場(しわひえぬきえいせいしょりじょう)」ができました。

 その後、し尿処理施設からの排水による水質汚染が問題となり、1970(昭和45)年には「水質汚濁防止法(すいしつおだくぼうしほう)」などの法律が作られました。

現在

 トイレの水洗化が進み、「し尿」を取り扱う法律や施設も作られ、環境汚染や伝染病などの被害はなくなりました。し尿処理施設からの排水にも厳しい基準が設けられ、環境を守る取り組みが行われています。
2020(令和2)年度末で、紫波町の水洗化人口割合(すいせんかじんこうわりあい)は86.8%、非水洗化世帯数(ひすいせんかせたいすう)は1654世帯です。汚水処理人口普及率(おすいしょりじんこうふきゅうりつ)(※)は92.9%で、全国平均の92.1%を上回る高い水準となっています。
※下水道のほか合併処理浄化槽(がっぺいしょりじょうかそう)、農業・漁業集落排水処理施設、コミュニティプラントが使える人の割合

し尿はどこへゆくの?

 紫波町では現在、「下水道」「浄化槽」「汲み取り」の3つの方法で「し尿」を処理しています。「下水道」に流された「し尿」と「汲み取り」で集められた「し尿」、「浄化槽」にたまった「汚泥」は、「紫波町汚泥再生処理(しわちょうおでいさいせいしょり)センター」に集められます。その後、水分と汚泥(おでい)というゴミに分けられ、水分はきれいな水に戻してから川へ流します。汚泥は、ゴミ焼却場に運ばれ燃料として燃やす事で、環境を汚すことなく処理されます。

し尿が管理されないとどうなるの?

 もしも、汲み取り式トイレに溜まった「し尿」を誰も集めに来なかったら、どうなると思いますか?「し尿」はトイレのタンクからあふれ、街中に流れ出し、バイキンや悪臭が発生します。寄生虫や伝染病などの健康被害が発生し、誰も住みたくない街に変わってしまいます。
 そうならないために、紫波環境は「し尿」を集めて運ぶ「汲み取り」の仕事をしています。ほかにも、「浄化槽の清掃」や「浄化槽の保守・点検」なども行っています。みなさんがこれからも健康で気持ち良く暮らすことができるよう、紫波町の環境を守り続けることが私たち「紫波環境」の大きな役割です。

※学校やご家庭での学習に役立てていただくため、「し尿処理」について分かりやすくまとめた「学びの資料」となっています。「し尿処理」について知ることで、みなさんが暮らす紫波町の環境に興味を持つきっかけとなれば幸いです。