~木質バイオマスタウン紫波の意義を考える~
起:森と人間の関わり
日本人は大昔から森を利用して生活していた(燃料、食料、住居、生活用具、狩りの場).
日本には本当の原生林~手つかずの森~は(ほとんど)ない.
今ある森の姿は人間か自然に手を加えることで作られてきた姿.
岩手県の森は本来ブナが中心.今の自然林はほとんどナラやアカマツの森になっている.
人間が森に手を入れることは、本来自然の営みだった.
過度に手を入れなければ、ブナ林は残された.
里山では、人間が自然を利用するように、自然もまた人間を利用してきた.
文明の衰退は、再生不可能な極度の森林伐採か大きな原因である(エジプト然り、メソポタミア然り、インダス然り).
承:日本の森の存在価値
森(木)は再生可能な資源(伐る、植える、手入れする、また伐る).
石炭、石油などの化石燃料を使うようになってから、人間は森との関わりを忘れてしまった.
日本人が森と離れてから、たかだか数十年しかたっていない.
人間の手を加えないことイコール自然を守ること、か?
今ある森を放置しても、本当の原生林には戻らない(かつて失われた動植物は戻ってこない). (一次林
里山にしか生きていけない動植物は、放置林からは失われていく.
(やぶになった森ではカタクリの花は咲かない、ムササビや猛禽類は健康な針、広葉樹の混交した林と広場がないと生きていけない).
不健康な放置林を手入れすると、健康な森=優秀尽二酸化炭素固定源になる.
健康な森は生物の多様性に富み、空気、水を整える.人間も気持ちいいと感じる.
日本の森林の生物多様性は世界一(気候、地形、人間が関わってきた歴史、独特な森への価値観).
日本の林業は安価な外材に押されて産業として成り立っていない.一放置林の増大.
外材を供給する海外の林業と、木材供給以外の様々な価値を内在する日本の林業を、経済効率など同じ土俵で扱ってはいけない.
転:林は地球温暖化を防ぐのか
炭素循環とは?
木は炭素を固定するか、同時に排出しており、森全体として収支はプラスマイナス・ゼロ.
木か永久に炭素を固定するわけではない(いずれ腐ったり燃やされたりして放出する).
いろいろな規模の炭素循環を考える(地球、日本、東北、岩手、紫波、今あなたがいる場所).
化石燃料とは?どこで使われているか?
化石燃料を掘り出して使うことは、地下に封印されていた炭素を放出すること.
化石燃料使用の3大部門=工業製品の生産、発電、燃料(車、調理、暖房). 人干林
化石燃料なしの生活に戻ることは不可能.非現実的.
化石燃料の一部を、ほかのエネルギーかえることから始める.
自然エネルギー(太陽光、風力、地熱)、バイオマスエネルギー
薪、木炭の直接燃焼或いは現代にマッチした別の形での利用はどうか.
木の家を建てることは環境に優しいか(木造住宅の建築でも二酸化炭素は排出される).
土木工事でコンクリートや鉄骨を使うのを減らし、間伐材などの木材をもっと利用するっていうのはどうか?→耐用年数短い→維持修繕作業→雇用創出.
今、一番盛んな産業とは?世の中は化石燃料を中心にまわっているのか?
材木や木質資源を使うことは、林業を盛んにすること.林業は地場産業、雇用か増える.
結:環境問題を楽しく、生活の一部に!
材木や木質資源を使うことは、生き方(考え方)を少し変えること.
材木や木質資源を使うために、生き方(考え方)を少し昔に戻さなくてはならないのか?
技術革新で炭素固定や削減の方法を新たに編み出しても、物質依存の文明は変わらない.
物質依存の文明か行き着く先は?
「森、山、川、海、土、岩、生き物、はおもしろい」が、新たな価値観を生む.
これからは、お勤め先が「森」っていうのはどうだろう(カッコイー)?
環境問題を論することから、楽しむことへ.