災害時、水洗トイレは使えない!
【NPO法人日本トイレ研究所資料を基に作成】
2011年3月11日の東日本大震災から12年と半年が過ぎました。災害は突然起こります。事前に備えておくことが大切です。災害時には、飲食料や衣料の確保とともに、トイレ・衛生対策が重要です。水や食料はある程度我慢ができたとしても、排泄を我慢することはできません。過去の震災では、トイレに行く回数を減らすために水分を控えたことで慢性的な脱水状態となり、その結果、下肢静脈血栓ができやすいことが指摘されました。
さらに、避難生活は、精神的にも体力的にも負担が強いられるため、食べること、排泄することなど、あたり前のことが普段以上に重要となります。とくに、子どもや女性、お年寄り、障がい者などの視点で、トイレのあり方を考えることが大切です。
エコノミークラス症候群となり死亡に至ることもあります。学校や公民館などの公共施設は、災害時には避難所となり、多くの人が共に生活する場となるため、災害時を想定したトイレ整備が求められます。“避難所”における災害時のトイレ・衛生対策や、公衆トイレを含めた総合的な災害時トイレ対応のあり方を検討・見直しをすることが必要です。
災害用トイレには、様々なタイプ・製品があります。避難所に適したトイレを備蓄し、運用方法についても事前に検討しておくことが必要です。トイレ対策を徹底することは、避難者の健康面・衛生面の管理、避難所の安定的な運営にも役立つと考えられます。
♦時間経過や被災状況に合わせる
時間経過や被災状況に合わせて複数タイプの災害用トイレを組み合わせて使うことで、トイレを切れ目なく確保することが必要です。
発災直後は携帯トイレ・簡易トイレを建物内のトイレに取り付けることが必要です。次にマンホールトイレが整備されていれば、それを準備します。そして仮設トイレ等を調達することが望ましいです。
(内閣府防災『避難所におけるトイレの確保管理ガイドライン』より)
◆災害用トイレの種類
SDGs理念「だれひとり取り残さない!」のためには、どのようにすれば良いでしょうか?
①携帯トイレ
断水や排水不可となった洋式便器等に設置して使用する、し尿をためる袋を指します。
吸水シートタイプやタブレット状、粉末状でし尿の水分を凝固安定化させることができます。
①簡易トイレ
移設可能な便座部分を備えたし尿をためるタイプや機械的にラップするタイプなどがあります。
し尿をためるタイプ、電力を必要とするタイプがあります。
②マンホールトイレ
事前に整備された下水道管路や貯留槽にあるマンホールの上に、備蓄した便器や上屋を設け、トイレ機能を確保します。
し尿を流下・貯留させることができます。
紫波町のマンホールトイレ(紫波町庁舎西側自転車置き場付近にある)
②③仮設トイレ
トイレが無い場所、またはトイレが不足する場所に一時的に設置するトイレです。
ボックス型と分割収納できる組立型タイプがあります。ボックス型については、簡易水洗タイプが主流です。
組立型 BOX型