様々な対策により温室効果ガス排出量の削減を進めた場合の将来推計を考えてみました。
紫波町は、温室効果ガス排出削減目標について、中期目標(2030 (令和12)年度)として2013 (平成25)年度比46%削減、長期目標(2050(令和32)年度)として「温室効果ガス排出量実質ゼロ」を目標に掲げています。
目標達成のため、各排出部門における省エネルギー対策、再生可能エネルギーの導入、廃棄物のリサイクル推進等の国等との連携による対策、木質バイオマスの有効活用、紫波型エコハウスの普及推進、循環型エコプロジェクト推進事業等の町独自の施策事業を推進することで、温室効果ガスの排出削減に努めていきます。
しかし、産業部門において一部化石燃料の使用が必要となる業種が残ることや、廃棄物の焼却による排出が生じることにより、2050(令和32)年度において10000t-C02の温室効果ガス排出量が残ります。
2050(令和32)年度に残存する排出量については、森林整備等の推進により森林吸収量の確保に努めることや、ネガティブエミッション技術(大気中から二酸化炭素を回収・除去)や直接空気から回収するDACなど技術革新の動向を踏まえながら本町においても取り入れることで、温室効果ガス排出量が実質ゼロとなるよう取り組みを進めていくこととします。
※紫波町地球温暖化対策実行計画(区域施策編)より
2050(令和32)年の将来ビジョン
◆家庭部門
・省エネ機器が普及し、住宅の屋上などを使用して太陽光発電を行い、自家消費するなど建物のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化か進んでいる
・電化が進み、再エネ由来の電気を使用しており、給湯や暖房においては町産材木質バイオマスや地中熱の活用が進んでいるため、生活に伴う温室効果ガス排出量は生じていない
◆廃棄物分野
・プラスチックのリサイクルが進み、廃棄物焼却量が減少している
・バイオマスプラスチックの普及が進み、使用するプラスチックのうち、約50%がバイオマスプラスチックとなっており、燃焼による温室効果ガスの削減が進んでいる
・一部化石燃料由来のプラスチックを使用しているため、焼却に伴い温室効果ガスが生じている
・食品ロス削減が進み、廃棄物量が減少している
◆産業部門
・電化出来るところは電化し、電気は再生可能エネルギー由来の電気を利用している
・水素や合成燃料、アンモニア燃料等の新燃料も活用し、可能な限り化石燃料の使用量を少なくしている
・製造業において一部化石燃料使用が必要となる業種があるため、エネルギー起源C02排出量が生じる
・遊休農地では太陽光発電を行い、営農地においてもいたるところで営農型太陽光発電を行っている
◆業務部門
・省エネが進み、建物の屋上などを使用して太陽光発電を行い、自家消費するなど建物のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化か進んでいる
・すべての建物で電化し、再エネ由来の電気を使用しているため、活動に伴う温室効果ガス排出量は生じておらず、余った電気は、蓄電や他の建物や工場等へ供給し地域内で連携して再エネを活用している
◆運輸部門
・次世代自動車が普及し、エネルギー源は電気や水素、合成燃料等の温室効果ガス排出を伴わないエネルギー源に転化している
・水素、合成燃料等も再エネを活用して生成された燃料を使用しているため、部門からの温室効果ガスの排出はゼロとなっている